展示
特別展
天狗推参!
テングというと赤い顔に鼻高、山伏姿を思い浮かべますが、実はそのイメージの成立はとても複雑です。中国で流星と考えられていた天狗は、日本では鳶や鷲に変身して人をさらったり、怪しい秘術を行う仏教の敵として恐れられました。一方で、天狗を手なずけて使役する高僧も現れ、修験道と結びついて愛宕権現や飯縄権現など、戦勝祈願する強い本尊として戦国武将たちに信仰されていきます。また、鼻高の天狗は行道の先導役をつとめる王舞、猿田彦など、芸能で用いられる面との関わりも深く、神奈川でも、伝統芸能の獅子舞の多くには天狗が登場します。
本展覧会ではこのように変幻自在な天狗のイメージを中世の絵巻や舞楽面、浮世絵など、国宝、重要文化財を含む約200点の文化財から探り、その秘密と魅力に迫りたいと思います。
開催情報
概要
会期:2010年9月25日(土)~10月31日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金曜日 午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで)
休館日:月曜日(10月11日は開館)
会場:特別展示室
観覧料:大人…800円(20名以上の団体は100円引)
20歳未満・学生…500円(20名以上の団体は100円引)
65歳以上・高校生…100円(団体の場合も同一料金)
※中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方は無料
展示品について
展示数
約200点
展示リスト
主な展示品
- 国宝「辟邪絵」(奈良国立博物館)
- 重文「天狗草紙」(東京国立博物館)
- 国宝「金銅押出毘沙門天像(鞍馬寺経塚遺物)」(鞍馬寺)
- 国宝「荼吉尼天曼荼羅」(大阪市立美術館)
- 国宝「二月堂縁起絵巻」(東大寺)
- 国宝「狩野派筆 北野天神縁起絵巻」(当館)
- 重文「舞楽面(胡徳楽)」(手向山八幡宮)
- 重文「舞楽面(胡徳楽・崑崙八仙)」(法隆寺)
- 重文「笈・天狗面」(大杉神社)
- 重文「歌川広重 東海道五拾三次之内 沼津黄昏図」(当館)
関連行事
- 記念講演会
- 記念民俗芸能鑑賞会
- 県博講座
- 当館学芸員による展示解説