展示
常設展室内トピック展示
『偐紫田舎源氏』と浮世絵 物語から飛び出した主人公
※ 催し物は変更・中止になる場合があります。
※ 感染防止対策として、密を避けるため入場制限を行う場合があります。
江戸時代後期に出版された『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』は、『源氏物語』を下敷きに時代や登場人物を変えて書かれた物語で、多くの人に親しまれました。話の筋の面白さもさることながら、役者絵など人物表現に定評のあった人気絵師・初代歌川国貞(後の三代歌川豊国)が手掛けた挿絵にも多くのファンがいました。その影響で後に『偐紫田舎源氏』の登場人物たちは、浮世絵にも描かれるようになります。
主人公の足利光氏(あしかがみつうじ)は、光源氏に勝るとも劣らない才気あふれる美男子。浮世絵では、『偐紫田舎源氏』の一場面に留まらず、華やかな女性たちと共に、季節の娯楽を楽しむ様子や、人気の観光地に足を運ぶ姿も描かれます。
今回のトピック展では、物語から飛び出てあちこちに赴く光氏たちのバラエティに富んだ浮世絵と、『偐紫田舎源氏』の浮世絵でお約束的に描かれるデザイン「源氏香(げんじこう)」についてご紹介します。
開催情報
概要
■展示期間:2023年2月22日(水)~4月9日(日)
■開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日:月曜日、2月24日(金)、28日(火)、3月14日(火)、22日(水)
■会場:常設展示室2階 テーマ3 近世
■観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます。
一般300円、20歳未満・学生200円、高校生・65歳以上100円
※中学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は無料
※神奈川県立の博物館等の有料観覧券の半券提出により団体料金になります。
- 常設展の展示内容概要はこちら
猿若月の夕栄(部分)
主人公の足利光氏は、「海老茶筅髷(えびちゃせんまげ)」という先が二つに割れた一風変わった髷が特徴の美男子です。 |
東源氏雪乃庭(部分)
今年の干支でもある兎の大きな雪だるまを、女性たちが作っています。この場面、実はある『源氏物語』のお話を元に描いていると言われています。 |
山城宇治川蛍狩之図(部分)
光氏が登場する浮世絵の多くに、「源氏香」という香を当てる遊びに用いられる幾何学的な模様が描かれます。着物の柄や調度品の模様としても親しまれていました。 |
展示リスト
作品名 | 作者 |
---|---|
光君名所合 杉田の梅 | 歌川広重(三代) |
山城宇治川蛍狩之図 | 歌川豊国(三代)・歌川広重(二代) |
東源氏雪乃庭 | 歌川豊国(三代)・歌川広重(初代) |
猿若月の夕栄 | 歌川豊国(四代) |
箱根七湯之内 塔ノ澤 | 豊原国周 |
源氏香の図 朝皃(あさがほ) | 歌川豊国(三代) |
源氏香の図 手習 | 歌川豊国(三代) |