展示

常設展室内トピック展示

1863年 将軍京都への旅

※ 催し物は変更・中止になる場合があります。
※ 感染防止対策として、密を避けるため入場制限を行う場合があります。

江戸時代の終わり、公武合体派と尊王攘夷派との対立が激化する中、十四代将軍徳川家茂(1846-66)は、文久3(1863)年2月、将軍として三代将軍家光以来229年振りに京都へ上洛しました。政治的な事件を描いた浮世絵を出版することは御法度でしたが、大名行列が旅する風景や源頼朝の逸話として、将軍の行動をなぞった錦絵が数多く出版されました。特に大判錦絵の揃物、通称「御上洛東海道」は16人の浮世絵師が分担した160点以上が確認されており、当時の人々の上洛への関心が窺われます。緊迫した政治状況でありながら、楽しげな旅の様子が描かれた絵も少なくなく、浮世絵を世に出した浮世絵師や版元たちが若き将軍にさせたかった旅を絵にしたのではないか、と思うほどです。また、長老三代歌川豊国を筆頭とする浮世絵師たちも、自由に個性を発揮して描いたように見えます。 

宿駅以外の名所もふんだんに描かれ、京都での将軍の行動もなぞった大シリーズを、ごく一部ですがお楽しみいただければ幸いです。

開催情報

ご来館される前にこちらをご確認ください。

常設展室内トピック展示1863年 将軍京都への旅

概要

■展示期間:2023年4月12日(水)~6月2日(金)(予定)
■開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日:月曜日、4月25日(火)
■会場:常設展示室2階 テーマ3 近世
■観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます。
一般300円、20歳未満・学生200円、高校生・65歳以上100円
※中学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は無料
※神奈川県立の美術館・博物館等の有料観覧券の半券提出により団体料金になります。

五雲亭貞秀 東海道名所の内 江之島(部分)

行列が江の島へ向かっています。東海道の沿道でも、将軍が立ち寄ったのでもありません。人気スポットの江の島を楽しませたい気持ちがこの絵になったのではないでしょうか?

歌川国輝(二代)東海道 小田原(部分)

小田原の有名な薬ういろうの店の前を行列が通ります。店内の虎も見守っているようです。

歌川豊国(三代) 東海道名所之内 上加茂(部分)

将軍と一橋慶喜は攘夷を祈願する孝明天皇に供奉して賀茂上下社を参拝します。天皇の乗り物、鳳輦が美しく描かれています。

展示リスト

作品名 作者
蒸気船全図 海上浦賀風景 五雲亭貞秀
東海道 日本橋 歌川豊国(三代)
東海道名所之内 権太坂 河鍋暁斎
東海道名所之内 鎌倉金沢 歌川広重(二代)
東海道名所の内 江之島 五雲亭貞秀
東海道 藤沢 芳形
東海道 小田原 歌川国輝(二代)
東海道 箱根畑 芳虎
東海道名所之内 箱根山中猪狩 河鍋暁斎
東海道之内 (白鳥明神) 艶長
東海道 瀬田唐橋 芳盛
頼朝公参内之図 歌川広重(二代)
東海道名所之内 上加茂 歌川豊国(三代)
東海道名所之内 淀川 芳艶

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