展示
特別展
関東大震災―原点は100年前―
1923(大正12)年9月1日に発災した関東大震災は、マグニチュード7.9と推定される巨大地震と、それに伴う火災や土砂災害、津波などによって関東地方を中心に甚大な被害をもたらしました。とりわけ、震源域のただ中に位置した神奈川県域では、人的にも物的にも多くが失われています。一方で、復興の過程で現在につながる都市の骨格が形作られたという観点からすれば、この大震災は現代の原点の一つとも捉えられるでしょう。
また、ほかでもなく当館の旧館部分である旧横浜正金銀行本店本館は、関東大震災をくぐり抜けてきた生き証人です。その発災から100年にあたる今年、大災害に直面し、不安を抱えつつ安心を得ようとした人たちの姿に迫ります。
※ 混雑時は入場制限をする場合があります
関連動画
神奈川県の動画広報「かなチャンTV」にて、関連動画を掲載しています。ぜひご覧ください。
特別展「関東大震災-原点は100年前-」展示解説 |
開催情報
会期・休館日・開館時間・観覧料
■会期:2023年7月29日(土)~9月18日(月・祝)
■休館日:月曜日(9月18日(月・祝)は開館)
■開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■観覧料:( )内は20名以上の団体料金
区分 | 特別展・常設展 セット料金 |
特別展 | 常設展 |
---|---|---|---|
一般 | 1100円 (1050円) |
900円 (800円) |
300円 (250円) |
20歳未満 ・学生 |
700円 (650円) |
600円 (500円) |
200円 (150円) |
65歳以上 | 250円 (250円) |
200円 (150円) |
100円 (100円) |
高校生 | 200円 (200円) |
100円 (100円) |
100円 (100円) |
中学生以下 | 無料 |
- 学生・生徒の方は学生証・生徒証を、20歳未満・65歳以上の方は年齢の分かるもの(運転免許証など)を受付にお見せください。
- 身体障害者手帳/療育手帳/精神障害者福祉手帳をお持ちの方は、その現物またはスマートフォンアプリ「ミライロID」の手帳画面を受付にお見せください。介助者は原則 2 名まで無料となります。
- 教育課程に基づく教育活動として入館する高校生・大学生とその引率者は、事前に減免申請書を提出することにより観覧料が無料になります。
- 神奈川県立の美術館・博物館(*)の有料観覧券の半券で団体料金になります
(半券に押印された入館日より6ヶ月以内、1枚1回限り。割引制度の詳細はこちら)。
* 対象施設
当館
神奈川県立近代美術館(葉山館・鎌倉別館)
神奈川県立金沢文庫
神奈川県立生命の星・地球博物館 - 当館は「ぐるっとパス」に参加しています(常設展は無料、特別展は団体料金になります)。
- 毎月第1日曜日は「ファミリー・コミュニケーションの日」。18歳未満のお子様連れの家族に優待があります。詳細はこちらをご覧ください。
会場
神奈川県立歴史博物館 1階 特別展示室・コレクション展示室
主催
神奈川県立歴史博物館
協力
海上保安庁
後援
神奈川県博物館協会、神奈川新聞社、朝日新聞横浜総局、毎日新聞社横浜支局、読売新聞横浜支局、産経新聞社横浜総局、東京新聞横浜支局、日本経済新聞社横浜支局、共同通信社横浜支局、時事通信社横浜総局、NHK横浜放送局、tvk(テレビ神奈川)、ラジオ日本、FMヨコハマ、J:COM
神奈川県博物館協会 神奈川震災100年プロジェクト
出品目録
関連資料
展示ガイド
図録
ミュージアム・ショップのページをご覧ください。
展示構成
第1章 震える大地
1923(大正12)年9月1日に発災した関東大震災は、マグニチュード7.9と推定される巨大地震と、それに伴う火災や土砂災害、津波などによって関東地方を中心に甚大な被害をもたらした。とりわけ、震源域のただ中に位置した神奈川県域では、人的にも物的にも多くが失われている。
都市部では、横浜の中心市街地である関内地区をはじめ、建物の倒壊や火災で多くの犠牲者が出た。また、丹沢や箱根をはじめ県西部を中心に発生した大規模な土砂災害は、地震によって発散された力の巨大さを物語っている。
地形の変化は、陸域だけでなく海域にも及んだ。その状況を記録した地図は、足もとの大地が大きくかつ複雑に震えた様子を克明に跡づけている。
第2章 奮う人たち
神奈川県立歴史博物館の旧館部分である旧横浜正金銀行本店本館は、関東大震災をくぐり抜けてきた生き証人である。1904(明治37)年に竣工したこの建物は、地震後に発生した火災で地階を除く内装のほとんどと屋上のドームを失った。周囲では多くの人たちが犠牲になった一方で、建物内に避難して救われた命もあった。
焼失して骨組みだけになった屋上ドームは、震災復旧の改修工事では再建されなかったものの、1967(昭和42)年の神奈川県立博物館開館にあわせて復元されて現在に至っている。
本章では、関東大震災からの復興に尽力した人たちの活動に迫るとともに、大災害から新たに立ち上がった横浜や東京の街並みを眺める。
第3章 原点は100年前
関東大震災は、多くの人や物が失われた大災害であった。一方で、復興の過程で現在につながる都市の骨格が形作られたという観点からすれば、この大災害は現代社会の原点の一つとも捉えられる。
震災から10年が経とうとする1932(昭和7)年に描かれた「神奈川県鳥瞰図」は、横幅4mに及ぶ大きな画面に復興する街並みや、東京と神奈川をつなぐ交通網などを詳細に記し、その姿は現在と重なり合うところが大きい。あわせて、大規模な土砂災害に見舞われた県西部での森林復旧工事や、震災後の産業復興策として現在の山北町で導入された足柄茶の動向などを通じて、関東大震災によって作られた原点について紹介する。
関連行事
- 記念講演会「関東地震:発生から100年後の地震像」
- 連続講座「関東大震災を知る」
- 連携講座「地球博×県博 神奈川県西部の災害を知る」
- 子ども向け 展示解説「横浜正金銀行と関東大震災」
- 高校生・大学生向け現地見学会「海上保安庁の測量船で知る海の防災」
- 学芸員による展示解説
※ 関連行事の詳細は、催し物案内をご覧ください。