展示

常設展室内トピック展示

初代広重の「東海道」

現代の多くの人が「東海道の浮世絵」として思い浮かべる初代歌川広重(1797-1858)の東海道シリーズは、その版元の名にちなんで「保永堂版東海道」と呼ばれます。今回はそのうち、現在の神奈川県域の9宿をご紹介します。浮世絵の歴史において、風景画の人気が出たのは遅く、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」とこの保永堂版東海道が出版された天保年間(1830-44)に人気を確立したとされます。旅の時空間を切り取り、人々が息づく「保永堂版」の風景表現は、当時の人々の旅へのあこがれをかき立てたことでしょう。一方、現代に生きる私たちは人工的な建造物で変わる前の景観やのどかな旅の情景にひきつけられるのではないでしょうか。川崎宿が設置されて400年など、今年は東海道が話題となる機会も多いことから、広重が描いたかながわの風景に思いを馳せていただければ幸いです。

開催情報

ご来館される前にこちらをご確認ください。

常設展室内トピック展示初代広重の「東海道」

概要

■展示期間:~2023年10月15日(日)
■開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日:月曜日(9月18日、10月9日をのぞく)、9月19日(火)、26日(火)、10月3日(火)
■会場:常設展示室2階 テーマ3 近世
■観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます。
一般300円、20歳未満・学生200円、高校生・65歳以上100円
※中学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は無料
※神奈川県立の美術館・博物館の有料観覧券の半券持参で団体料金になります。詳細はこちら

展示室で確認してみましょう

東海道五拾三次之内 神奈川 台之景(部分)

提灯の下がるお座敷。ここからは房総半島も見えるという見晴らしが知られていました。

東海道五拾三次之内 小田原 酒匂川(部分)

画面右側の山の裾、山肌と色が似ていますが、小田原城が見えます。

東海道五拾三次之内 箱根 湖水図(部分)

左側、芦ノ湖の向こうに輪郭線でかたどらず、周囲に色を摺ることで浮かび上がった富士山が見えます。

展示リスト

歌川広重(初代) 作品名
東海道五拾三次之内 川崎 六郷渡舟
東海道五拾三次之内 神奈川 台之景
東海道五拾三次之内 保土ケ谷 新町橋
東海道五拾三次之内 戸塚 元町別道
東海道五拾三次之内 藤沢 遊行寺
東海道五拾三次之内 平塚 繩手道
東海道五拾三次之内 大磯 虎ヶ雨
東海道五拾三次之内 小田原 酒匂川
東海道五拾三次之内 箱根 湖水図
(参考)
東海道五拾三次之内 小田原 酒匂川
東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景

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