展示

常設展室内トピック展示

新紙幣発行記念 北斎が描いた美しい日本

 7月3日、新しい紙幣が発行されます。新しい千円券の裏面には葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が取り上げられました。既に「グレートウェーブ」の愛称で世界中に親しまれている「神奈川沖浪裏」と浮世絵師葛飾北斎は、さらに私たちの生活に欠かせない存在になることでしょう。

 当館では、日本銀行から神奈川県へ贈呈された記番号「AA000002AA」の新千円券のおひろめとあわせて、常設展示室(2階)でトピック展示「北斎が描いた美しい日本」として北斎が「為一」(いいつ)と名乗った時代の風景画を紹介します。「冨嶽三十六景」の風景は、当時流行していた藍色が効果的に用いられ、現代の私たちにも斬新に見えます。また、現在の沖縄県を取り上げた「琉球八景」や各地の橋を描いた「諸国名橋奇覧」など、当時の人々の旅へのあこがれを掻き立てたであろう作品も必見です。

 常設展示室の一角で行う小さな展示ですが、この機会に北斎ならではの美しい風景をぜひご覧ください。

開催情報

ご来館の前にこちらをご確認ください。

常設展室内トピック展示新紙幣発行記念 北斎が描いた美しい日本

概要

■展示期間:2024年7月4日(木)~8月20日(火)予定
■開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日:月曜日(ただし、7月15日、8月12日は開館)、7月9日(火)、7月16日(火)、8月6日(火)
■会場:常設展示室2階 テーマ3 近世
■観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます。
一般300円、20歳未満・学生200円、高校生・65歳以上100円
※中学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は無料
※神奈川県立の美術館・博物館の有料観覧券の半券持参で団体料金になります。詳細はこちら

冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏

当館が誇る浮世絵コレクションの「丹波コレクション」は貿易商丹波恒夫氏が集めた浮世絵コレクションです。本作品は残念ながらかなり傷んでいますが、それ故に、それでも自分のコレクションに加えた丹波氏の、「浪裏」への思いが感じられます。

冨嶽三十六景 甲州三島越(部分)

一般的に錦絵(浮世絵版画)の輪郭線は墨の色ですが、「冨嶽三十六景」計46点のうち36点は輪郭線が藍色です。藍色を基調にした風景は独特の空気をたたえています。

諸国名橋奇覧 摂州天満橋(部分)

整然と並ぶ提灯とは対比的に、橋の上の人々の姿はさまざまです。小さな表現ながら生き生きと描かれた人物にも注目してください。

展示リスト

作品名
冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏
冨嶽三十六景 相州七里浜
冨嶽三十六景 上総ノ海路
冨嶽三十六景 甲州三島越
諸国名橋奇覧 かめゐど天神たいこばし
諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし
諸国名橋奇覧 摂州天満橋
諸国名橋奇覧 すほうの国きんたいはし
諸国瀧廻り 東海道坂ノ下清滝くわんおん
琉球八景 龍洞松濤
琉球八景 泉崎夜月

ページトップに戻る