展示
聖徳太子絵伝断簡
「今月の逸品」では、学芸員が交代で収蔵資料の魅力を紹介します。
2018年9月の逸品(展示期間:9月12日~10月16日 ミュージアムトーク:9月19日)
聖徳太子絵伝断簡
長い絵巻や大きな掛幅の絵の一部分のみが残され伝わることがある。断簡という。今月の逸品は「聖徳太子絵伝断簡」〔図〕。仏教の興隆につとめた聖徳太子の事績を描いた掛幅絵の一部である。当館所蔵のこの断簡は室町時代の作と推定される作品。図様を他の太子絵伝と比較すると、妙源寺旧蔵本(三幅、絹本著色、奈良国立博物館所蔵)の第二幅に類似した描写が確認できる。当館の断簡も妙源寺旧蔵本のようにもとは三幅対だったのだろうか。
常設展示室3階でのトピック展示「断簡」(9/12~10/16)で展示するとともに、ミュージアムトーク(9月19日 14時~)でこの断簡の描写の特徴について簡単なお話を行う予定である。(橋本 遼太・当館学芸員)
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