展示
日本列島最大級!縄文時代の「あたま」―土器の装飾?土偶?―
「今月の逸品」では、学芸員が交代で収蔵資料の魅力を紹介します。
2019年8月の逸品(展示期間:通年 ミュージアムトーク:8月21日)
日本列島最大級!縄文時代の「あたま」―土器の装飾?土偶?―
横浜市栄区公田町の公田ジョウロ塚遺跡出土の「あたま」。縄文時代中期半ば(今から約5000年前)に作られたもので、つりあがった目尻やちょこんと上を向いた鼻、「M」のような眉毛、軽く開いた口元など、独特な顔つきをしています。この頃、関東地方西部や甲信地方ではこういった特徴をもつ「あたま」形の土の造形が多く作られましたが、当館所蔵のこの「あたま」はその中でも最大級です。残念ながら首から下が失われており、全体でどのような姿だったのかよく分かっていません。現状では、縄文土器の縁につけられた装飾説(顔面把手[がんめんとって]説)と、人型の体を持った土偶説などが唱えられていますが、いずれも決め手に欠いています。
いずれにしても、見て欲しいのはこのなんともかわいい顔!見る角度によって表情が変わるようにも見えます(ちなみに私は少し下から見上げた角度が好きです)。ぜひ当館一のアイドル(と勝手に思っています)に会いに来てくださいね!(千葉 毅・当館学芸員)
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