- Top
- 横浜美術史【第Ⅱ期 大倉孫兵衛旧蔵錦絵画帖】
横浜美術史【第Ⅱ期 大倉孫兵衛旧蔵錦絵画帖】
【第Ⅱ期 大倉孫兵衛旧蔵錦絵画帖】
※本展示はJSPS科研費 19K00187の研究成果のひとつです。
トピック展示「横浜美術史」の第Ⅱ期として、《大倉孫兵衛旧蔵錦絵画帖》をご紹介します。2020年に特別展「明治錦絵×大正新版画」にて全容公開を果たした本画帖は、明治錦絵の研究を大きく進展させる作品として注目される逸品です。
保存状態が極めてよく、当時の彫摺の技術の高さが随所に認められ、ときに毒々しいといって低評価の原因のひとつとされる赤や紫の発色の良さが、明治初頭、往時の意気盛んな世相を伝えてくれます。
本画帖は版元である大倉孫兵衛が旧蔵し伝えられ、現存の報告事例がほとんどない輸出用錦絵が含まれていることから貴重な作例といえます。
孫兵衛は、錦絵版元として活動する一方で、一般書籍の出版社にあたる大倉書店の経営もおこないました。同書店は教育図書に加え、美術画譜が特徴的でした。錦絵の延長として、画譜発行がおこなわれていたと考えられます。また、その画譜発行の背景には、明治10年代の対米輸出への対応がありました。錦絵や版本、またそのデザインを応用した陶磁器などを製作するプロデューサー、ディレクター的な位置にいたのが、孫兵衛でした。
明治10年代後半から森村組で輸出陶磁器の製作を主導した孫兵衛は、その後、製陶業に邁進します。現在のノリタケの前身にあたる日本陶器合名会社の設立や、日本ガイシ、TOTOの設立にも関わります。最晩年には、再び、高品質な「美術陶器」を夢見て大倉陶園を設立しました。製陶業で名を成した孫兵衛ですが、その基礎には、ここに紹介する錦絵版元としての仕事があったこと、そしてこの活動が輸出美術の中核の一つであったことを忘れてはならないでしょう。
第Ⅱ期では場面替えを多く行いました。
常設展2階「テーマ4近代」で開催中のトピック展示 #横浜美術史 第二期「大倉孫兵衛旧蔵錦絵画帖」の動画じゃ。輸出用の華やかな錦絵が展示ケースからあふれんばかり。盛沢山の展示で実物はより迫力があるぞ。2週間ごとに画帖の場面替えを行うので見逃さないようご注意じゃ。https://t.co/IHg01mxG3m pic.twitter.com/vMMPe3mQWe
— 神奈川県立歴史博物館 (@kanagawa_museum) May 14, 2021
常設展2階テーマ4近代で開催中のトピック展示 #横浜美術史 第二期「大倉孫兵衛旧蔵錦絵画帖」の場面替えを行ったぞ。
今回の目玉である錦絵掛軸は真っ赤な背景の鶴の花鳥画じゃ!
どぎつくて斬新じゃの~。
今後も展示替えを行うので見逃さないようにな!https://t.co/IHg01mg5bO pic.twitter.com/to0ZXzuvCs— 神奈川県立歴史博物館 (@kanagawa_museum) May 28, 2021
常設展2階「テーマ4近代」で開催中のトピック展示 #横浜美術史 第二期「大倉孫兵衛旧蔵錦絵画帖」の場面替えを行ったぞ。
第2期は今回が最後の場面替え、最後まで鮮やかじゃのう。
第3期は6月23日から横浜絵の展示を予定しているぞ!https://t.co/IHg01mg5bO pic.twitter.com/hqiFECIHtz— 神奈川県立歴史博物館 (@kanagawa_museum) June 10, 2021