展示
常設展室内トピック展示
歌川国貞 風景への挑戦
初代歌川国貞(三代歌川豊国)(1786-1864)は葛飾北斎(1760-1849)、初代歌川広重(1797-1858)、歌川国芳(1798-1861)らと同時代に活躍し、歌舞伎役者の似顔絵や美人画など人物を描いた作品群が高く評価されています。しかしながら、今回の展示では美人画や役者絵ではなく風景画のシリーズをご紹介します。
天保4年(1833)頃に山口屋藤兵衛という版元から出版された大判錦絵横の10枚は、国貞の風景表現の中でも評価の高い作品群です。みな風景を描いた作例とはいえ、純粋に風景の美しさを表現した作品だけでなく、故事を踏まえた作品もあるなど、バラエティに富んでいます。本展は当館の丹波コレクションが所蔵している9点を一挙公開します。この機会にご覧いただければ幸いです。なお、詳細は「今月の逸品」で紹介しています。
開催情報
概要
■展示期間:2024年4月3日(水)~5月15日(水)予定
■開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日:月曜日(4月29日、5月6日は開館)、4月16日(火)、23日(火)
■会場:常設展示室2階 テーマ3 近世
■観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます。
一般300円、20歳未満・学生200円、高校生・65歳以上100円
※中学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は無料
※神奈川県立の美術館・博物館の有料観覧券の半券持参で団体料金になります。詳細はこちら。
- 常設展の展示内容概要はこちら
二見浦曙の図(部分)
「ビーム」と呼びたくなる朝日が印象的な絵ですが、細部の表現にも注目で、例えば波の部分はそのかたちの凹凸をつけています。 |
五月雨の景(部分)
陰暦5月に降る長雨を黒(墨)ではなく、やわらかい藍色であらわしています。 |
勢洲鰒取ノ図(部分)
鰒をとる海女。その体の輪郭線を海水の上に出ている部分は黒(墨)、水中の部分は藍と色を使いわけています。 |
展示リスト
作品名 | 作者 |
---|---|
二見浦曙の図 | 歌川国貞 |
北廓月の夜桜 | 歌川国貞 |
五月雨の景 | 歌川国貞 |
曽我十番切ノ図 | 歌川国貞 |
勢洲鰒取ノ図 | 歌川国貞 |
霧中ノ山水 | 歌川国貞 |
紅葉かりノ図 | 歌川国貞 |
明石ノ浦の図 | 歌川国貞 |
八ツはしの図 | 歌川国貞 |
紅毛油画名所尽 錦帯橋 | 歌川国貞 |
二代目一陽斎歌川豊国翁 行年七十九歳 | 豊原国周 |
豊国寿世七十七省像 | 歌川豊国(四代) |