おうちでヒロシゲ! 大正の広重-江戸の広重
(犬のカメ)パンチの守さまこれはなんですか?
(パンチの守)おお。これは当館の所蔵品で、昭和7(1932)年に神奈川県の観光推進を目的に作成された「神奈川県鳥瞰図」じゃ。大正から昭和に活躍した吉田初三郎という人が手掛けたものじゃ。吉田初三郎は「大正の広重」とも呼ばれておったのじゃ。
広重?有名な江戸時代の浮世絵師の歌川広重のことですね!じゃあこの「神奈川県鳥瞰図」も浮世絵なんですか!?
「神奈川県鳥瞰図」は浮世絵ではないぞ。吉田初三郎は、東海道五十三次を描いた広重の仕事に学びながら、洋画と日本画の技術をベースにした独自の名所図絵を描いて後世に残そうとしたのじゃ。そして、そんな姿から「大正の広重」と自他ともに認められるようになったのじゃよ。
そうなんですね!当館にも歌川広重の浮世絵がたくさん収蔵されていますよね!大正の広重が描いた神奈川県鳥瞰図に沿って、江戸時代の広重が描いた現在の神奈川県の景色を見てみましょうか。
そうじゃのう。せっかくじゃから東海道五十三次の宿場町に沿って見ていこうかのう。ここで紹介する浮世絵がすべて展示されているわけではないのじゃが、当館常設展2階テーマ3近世では東海道五十三次の宿場町について川崎~箱根まで順次浮世絵を展示しているぞ。
もしもしカメよカメさんよ(カメの質問コーナー)
【東海道ってなに?】
江戸時代は東海道といって江戸・日本橋から京・三条大橋に至る道があったんだよ。東海道には53の宿場があり、現在の神奈川県域には、そのうち川崎宿、神奈川宿、保土ケ谷宿、戸塚宿、藤沢宿、平塚宿、大磯宿、小田原宿、箱根宿の9つの宿場があったんだ。この9つの宿場については浮世絵でも多く描かれているんだよ。
【歌川広重って初代と二代と三代がいるの?】
初代歌川広重は江戸時代に「東海道五拾三次」という浮世絵のシリーズを描いて人気を博したんだ。二代と三代は初代歌川広重の弟子なんだ。特に三代は時代が明治に変わったこともあり、外国の文化が日本に入ってきている様子がよく描かれているよ。
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